駒場の旧・前田侯爵邸を拝見する。

 駒場にある旧・前田侯爵邸は、同家の西洋館と渡り廊下でつながっている。普段は、主に西洋館のほうへ住み、来客や茶会などがあると日本家屋のほうを利用したらしい。この西洋館の内部も拝見したが、東京に現存する西洋館ではもっとも豪華な造りをしていると思う。
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 上は、建築間もない前田侯爵邸の空中写真。左が西洋館で右が純和風建築の屋敷となっており、中央を廊下でつないでいる。赤い矢印のところが、和館の玄関となっている。玄関はE邸と同様に真北を向いており、式台は3段とこちらのほうが“本家”なのか格上だが、風情はよく似ている。
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 旧・前田侯爵邸は、おしなべて造りが新しい。(といっても昭和初期だが・・・) 早くから公共施設となり、大切に手入れされ管理されてきたせいもあるのだろうが、使用されている木材の経年色を比べても、E邸に使用されている木材のほうがやや古そうだ。
 そして、欄間や床の間などの室内装飾は、こちらの邸宅のほうが雅やかで細工が細かく豪華だが、柱の太さや使用されている木材は、E邸のほうがかなり立派なように感じる。
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 南側の庭園は加賀風の造りで、灯籠なども兼六園のものを模しているように感じられるが、雪吊りは加賀仕立てではなく、江戸前仕立てなのが面白い。屋敷の外に拡がる、武蔵野の雑木林をうまく取り入れて、うっそうとした森の手前に湧水を活かした庭園造りをしている。冬期の撮影なので、向こう側に空が透けて見えるが、春から秋にかけてはすべて緑に覆われてしまうのだろう。
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 茶室と2階があるのだが、どちらも拝見することができなかった。上の写真は、2階へとのぼる階段口。E邸に比べて幅が広く、敷地面積の違いからか傾斜もなだらかで踊場が設置されている。壁面に貼られている、金色の壁紙は近年のものだろう。また、襖はほとんどが白色で襖絵が存在しないが、別に保存されているということだった。
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