特報! タヌキの森裁判が全面勝訴。

タヌキの森1.jpg
 このサイトでも頻繁に取り上げてきた、タヌキの森Click!の「重層長屋」(実質マンション)の建設に、ようやくストップがかかった。もう、建築基準法もなにもかも無視して、新宿区建築課が区長にさえ告知せずに出した「特例」認定をベースに(建築課は、区長が地元住民と会合する数時間前に「特例」認定を業者に出すという狡猾さで、区長も意図的にカヤの外へ置かれていた)、旧・前田子爵邸Click!の移築建築を解体し、森の樹木を伐りまくり、目白崖線に残る縄文遺跡の埋蔵文化財包蔵地を掘り返して強行してきた、メチャクチャなマンション計画Click!なのだ。
 おかしなことに、新宿区の公園課では公園化予算として5億4,000万円が計上され、この金額は「集合住宅」が建てられない特殊な旗竿地としての評価価格を前提にしている。つまり、公園課は現状の建築計画を認めていない。また、建築指導課は南側のバッケ(崖地)を「急傾斜地崩壊危険箇所」と指定し、大きな人的・物的被害が生じる危険性があると、つい先年“網がけ”を行なった。そして、新宿消防署は消防車両の出入りに問題があり緊急災害時の安全性が確保できないという、前代未聞の意見書を提出している。中山弘子新宿区長Click!も、議会で早々に「遺憾」として建設計画には一貫して“反対”Click!だった。・・・つまり、建設計画に賛成しているのは、新宿区のオバカな「特例」認定を出した建築課だけで、他の部署は下落合の住民たちを期せずして「応援」してくれるという、奇妙奇天烈なことがタヌキの森では起きていたのだ。
タヌキの森2.jpg おとめ山公園拡張計画.jpg
 新宿区の多くの部署が「反対」しているにもかかわらず、「新宿区」を訴えざるをえなかった周辺住民のみなさんの心境は複雑だ。できることなら、新宿区建築課をピンポイントで訴えたかっただろう。東京高裁で行なわれていた裁判の判決が、つい先ほど(2009年1月14日)の午後1時30分に出た。裁判所は住民側の訴えを全面的に認め、建設計画は明らかな建築基準法違反であり、出されていた建築確認はさっそく取り消された。
 さあ、少なくともコンプライアンス感覚のある業者(まがりなりにも上場企業らしい)であれば、建築中の建物をすべて解体・撤去して原状回復、つまり元の森へもどさなければならない。「説明会」で住民を何度も恫喝Click!した業者諸君、1日も早く森へもどしてよ。まさか、ぶざまな工事中の残骸をそのままにして、千葉へ逃げてかないよね? それとも、地元住民の言葉へ真摯に耳を傾け、ちゃんと法律にもとづいたマトモな計画に変更する意志はあるのだろうか?
下落合グリーンベルト.JPG
タヌキの森3.jpg 下落合タヌキ.jpg
 これで、タヌキの森が公園化される可能性は高まったことになる。業者は、この土地に現在の計画を縮小し、少なくとも合法的な建物を建設しようとすれば、おそらく大赤字でまったく採算がとれないだろう。現状のメチャクチャな違法建築だからこそ、利益が見こめる計画だったのだ。もし、タヌキの森が公園になれば、「野鳥の森公園」や薬王院の森と連続する、下落合のグリーンベルトはかろうじて確保されることになる。御留山Click!の「おとめ山公園」1.8倍拡張計画Click!とともに、下落合のみどりが大きく拡がる可能性があるのはうれしい限りだ。ついでに、中村彝アトリエClick!の保存も早く決着がついてくれると、うれしさ倍増なのだが・・・。

■写真上:業者が周辺住民を無視して、建設を強引に進めていた「重層長屋」(実質マンション)。
■写真中は、タヌキの森に建っていた旧・前田子爵邸の移築建築。戦前は、下落合を中心に数々の建築を手がけた服部土木事務所Click!だった。は、おとめ山公園拡張計画の概要で、すでに新宿区は土地を取得しはじめている。(「根本二郎区政報告」パンフレット2009.No.1より)
■写真下:目白崖線沿いの下落合に残る、武蔵野のグリーンベルトとその住民。

この記事へのコメント

  • ChinchikoPapa

    1日2本の記事は初めてです。
    アップしたばかりで、早々にnice!をありがとうございました。>漢さん
    2009年01月14日 18:36
  • Nylaicanai

    とりあえず、よかったですね。
    でも、最後まで目が離せません。
    ちゃんと綺麗になるか?
    2009年01月14日 19:39
  • sig

    こんばんは。
    ひとまずいい方で決着してよかったですね。
    記事にもあるように、このあとをしっかり見守っていく必要がありますね。
    2009年01月14日 20:51
  • nog,j

    ご尽力いただいた皆様に、感謝です。
    嬉しくて倶楽部会員BBSにも報告しました。
    お疲れ様でした。
    2009年01月14日 21:52
  • アヨアン・イゴカー

    ほっとしました。
    建築業者の人々には、一度鳥や野生動物の気持ちになって東京都などの大都市の地図をみて欲しいと思います。野生の動物達はどうやって生きてゆけばよいのか、そういう思いやり、慈しみの心が不足しているようです。自然や緑や自由にできる空間があって、初めて、人間らしい生活ができると確信しています。
    そして >新宿区の多くの部署が「反対」
    これは良識のある人々が多いのだと思い、安心しました。
    2009年01月14日 23:08
  • かい

    判決を知ってココへすっ飛んで来ました。^^;
    また一歩前進ですね。

    しかしデベロッパーが上告する可能性もありますし、
    このご時世、この件がデベの経営にダメージを与えて・・・(以下自粛)。
    そうなったら廃墟化・野ざらしの可能性だってあります。

    工事は当面中止でしょうが、
    違法なこの建物が撤去されるまで今まで以上の関心を向けていようと思います。
    2009年01月15日 11:20
  • ChinchikoPapa

    商店街の古い電気屋さんにエアコン工事を頼んだのですが、やってきたのがご高齢の店主で重い機器を持つ手元や脚立にのぼる足元がおぼつかず、結局、大半を手伝うことになりました。^^; 昔ながらの商店の高齢化は、ちょっと深刻ですね。nice!をありがとうございました。>takagakiさん
    2009年01月15日 11:37
  • ChinchikoPapa

    掲載されている写真から、モンクではなくマッコイ・タイナーを思い出してしまいました。「Fly with the Wind」は大好きなアルバムです。nice!をありがとうございました。>xml_xslさん
    2009年01月15日 11:39
  • ChinchikoPapa

    Nylaicanaiさん、コメントをありがとうございます。
    載せられている写真のように、「晴れ晴れ」とした気分です。^^ 新宿区が最高裁へ上告しなければ、法律無視の違法判決が確定します。でも、これはあくまでも上物の建築の話で、土地の所有権は業者にあるわけですから、規模を縮小して戸建て住宅を数練建設・・・という可能性もあります。
    でも、高裁判決が確定すれば、現状の建築中の基礎や骨組みは、すべて撤去しなければならなくなるのは明らかですね。そこまでして、タヌキの森にこだわって開発をつづけるかどうかは不明です。今度は、違法な認定を出した新宿区を、業者が訴えることになるかもしれません。
    2009年01月15日 11:46
  • ChinchikoPapa

    sigさん、コメントとnice!をありがとうございます。
    まだまだ公園化への道は長そうですが、一歩前進したことも確かです。また、都内で80年代からメチャクチャなマンション建築が横行しているのに、少しは歯止めがかかりつつあるのかな・・・という感触もあります。
    先の目白駅前の100mペンシルマンション計画もそうですが、明らかに建築基準法に違反しながら強引に「特例」認定を受けて建ててしまう・・・という、自治体の条例の「特例」そのものに大きな課題がありますね。自治体の建築課と業者との癒着が囁かれるのも、ゆえないことではないかもしれません。
    2009年01月15日 11:59
  • ChinchikoPapa

    nog,jさん、コメントをありがとうございます。
    そして、さっそくサイトでのご報告もありがとうございました。フ~~・・・という感じですね。^^ 新宿区が条例にもとづく「特例」で認定した、当の「特例」基準さえ満たしていないなどという、筋道の通らないメチャクチャな違法行為が、まかり通りそうになったことこそが異常でした。こんな犯罪的脱法行為を認めるならば、下落合はおろか東京に安心して暮らせる未来などありませんね。
    いろいろとご尽力をいただき、ほんとうにありがとうございました。これからも、どうぞよろしくお願いいたします。<(_ _)>
    2009年01月15日 12:07
  • ChinchikoPapa

    「世の中のことはなんでも我慢ができる。しかし、幸せな日々の連続だけはどうにも我慢がならない」ゲーテ・・・という言葉が、ことさら印象に残っているわたしです。^^; nice!をありがとうございました。>shinさん
    2009年01月15日 12:11
  • ChinchikoPapa

    かいさん、コメントをありがとうございます。
    違法な「重層長屋」の建設をあきらめて業者が「撤退」するとすれば、業者が訴えるのは一度「特例」認定をし、建築確認を出してしまった新宿区だと思います。この「建築確認」も非常にいい加減なもので、法的には安全調査・確認が行なわれてから建築確認が出されるわけですが、安全性の調査が行なわれないまま、行なわれたと「錯誤」して建築確認を出してしまうという、メチャクチャなありさまでした。どこまでも、新宿区の当該部署は違法かつ犯罪的なのですね。
    いま争われてますのは、下落合の地元住民と新宿区(住民の内心は建築課)との間です。この違法判決を受けて、誰が見ても明らかに建築基準法違反であり、区の条例の「特例」にさえ違反しているのは自明だから、これ以上みっともなくてムダな裁判をつづけるのはやめましょう(税金のムダでもあるし)・・・という、あたりまえで常識的な意見が新宿区の中で大勢を占めれば、最高裁への上告はなくなり高裁判決が確定します。
    建築課が一度出した「特例」認定と建築確認を、新宿区自らが取り消すことは事実上できませんので、違法判決が出るのを新宿区も待っていたのではないか・・・というような感触さえ、どこかでしています。そうすれば、区長の裁断などにより上告は断念・・・というようなキッカケとともに道筋が拓け、少なくとも新宿区の地元住民と区が争うという最悪の課題が解決できるというシナリオです。でも、それにより今度は新宿区が業者から、「特例認定+建築確認をしておきながら、違法とはどういうことだ?」と訴えられる・・・という可能性が出てくるのですが。
    2009年01月15日 12:53
  • ChinchikoPapa

    アヨアン・イゴカーさん、コメントとnice!をありがとうございます。
    ふつう、このような住民運動の場合、特に裁判沙汰にでもなりますと、自治体vs住民という非常にステレオタイプ化された見方(20世紀的なとらえかたかも)が支配的になり、今回のケースですと新宿区=「敵」というような、ある種“予定調和”的なとらえ方があたりまえだったように思います。
    ところが、タヌキの森のケースはとても冷静かつクールで、新宿区のすべてがもちろん「敵」なのではなく、良識派や味方の勢力が自治体の中にも多数いらっしゃることを前提に、ことさら不可解で違法な「特例」認定を出した“張本人”の建築課にこだわってきました。また、そういう冷静かつ論理的な姿勢で運動を展開できる、数多くの下落合の住民の方々に、改めて脱帽してしまいます。
    あんのじょう、自治体とて決して一枚岩ではありませんので、タヌキの森に関して住民側が有利になるような素材が、新宿区側からも次々と出てくるという、ちょっと他に類例のない展開となりました。そういう意味では、「トラスト基金」という自治体とのアライアンスを前提にした手法も含め、まったく新しい「ポストモダン」的な住民運動の形態ではないかと強く感じています。
    2009年01月15日 12:55
  • 応援しています

    Chinchiko Papa様、
    皆さまにお疲れが出ませんように。

    新宿区は
    東京高裁の判断をそのまま受け入れ
    猛省すべきと思います。

    周辺住民の方々に
    工事差し止めを求める仮処分申請も
    検討されるようにお伝えください。
    2009年01月15日 18:48
  • ChinchikoPapa

    子供のころ、海っぺりの近所にはナデシコが群生する原っぱがたくさんあり、昔からなじみ深い花です。「撫子が原」という地名もいくつかあのました。nice!をありがとうございました。>takemoviesさん
    2009年01月15日 19:25
  • ChinchikoPapa

    いつも応援コメントをいただき、ありがとうございます。
    さっそく、周辺住民のみなさんにメールで流しておきました。おそらく弁護士が気づいているでしょうから、原告団の視界には入っている戦術ではないかと思います。
    いつもいつも、貴重なご意見や情報をありがとうございます。お気づきの点がありましたら、これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。重ねてお礼申し上げます。<(_ _)>
    2009年01月15日 19:28
  • ChinchikoPapa

    横浜の事例をお知らせいただき、ありがとうございました。
    すでに区議会へは働きかけており、また「仮申請書分」の件も弁護士のほうへ通じているようです。各自治体への送付につきましては、MLで流してありますので、原告団の方々は検討してくれると思います。
    横浜の事例は、ちょっと意外な盲点ですね。重ねがさね、貴重な情報をありがとうございました。ご指示どおり、コメントは削除させていただきました。
    2009年01月16日 00:35
  • ChinchikoPapa

    下落合みどりトラスト基金から新宿区へ、緊急のアピールが出ています。
    また、勝訴判決の概要第2報も掲載しています。詳細は、トラスト基金サイトへ。
    http://www.jsc-com.net/shimoochiai/top.htm
    2009年01月16日 15:36
  • nog,j

    仮処分申請・・・
    微細な可能性も
    綿密に住民が監視しなければならない自治体
    ・・・・複雑な思いですが
    東京高裁の判決は
    トラストメンバー方々と全国の皆様の署名応援の賜物です

    真摯な対応を願っています
    2009年01月18日 22:24
  • ChinchikoPapa

    nog,jさん、コメントをありがとうございます。
    「トラスト基金」サイトに、新宿区へ向けたアピールが出ていますが、訴訟のテーマや個々の課題の中身にまで初めて踏みこんだ今回の判決を、新宿区は真摯に受け止めてほしいですね。これ以上、ムダな税金を使って区民との対立をつづけるという、非生産的な姿勢だけは間違ってもとらないように願いたいです。
    どうしてこのような判決が出てしまったのか、なぜこのような状況を招来しているのかを、もう一度顧みて認識し、熟慮してもらいたいです。
    2009年01月18日 23:07
  • りびけん

    おや? トップの「特報」リンクが「T/O」のままですが、いいのかな。
    あ、ご無沙汰していてすみません。今回判決、おめでとうございました。
    2009年01月22日 14:32
  • ChinchikoPapa

    りびけんさん、コメントをありがとうございます。
    こちらこそ、ご無沙汰しています。「トラスト基金」トップページの1月14日のT/Oでしたら、判決当時の速報として掲載したものですのでページはありません。^^; その上の第2報に少し詳しい情報が掲載されていますが、ほどなく判決文の内容について詳しい第3報を掲載予定でいます。わざわざ、ありがとうございました。^^
    2009年01月22日 18:47
  • りびけん

    ああそうか、そういう第二報でしたのですね。
    じぶん「第一報不当判決!」(とうぜん詳報付き)とか見馴れていたので間違えまして、読みが浅かったところも含めてお恥ずかしいところです。

    今後ともよしなに。
    2009年01月22日 20:19
  • ChinchikoPapa

    重ねて、コメントをありがとうございます。
    実はT/Oメッセージは、「トラスト基金」サイトでは初の試みでした。こちらこそすみません、普段やりなれていないことをやって、みなさんに誤解を与えてしまったかもしれません。つい、クリックして本文を探されてしまうのが自然ですよね。^^; 以降、表現には気をつけます。<(_ _)>
    2009年01月23日 00:12
  • 応援者

    区に、区民と歩み寄るという発想があれば、
    上告したりせず、高裁判決を確定させていたでしょう。
    工事完了が近いということもあったのかもしれませんが。

    確認処分の効力が停止したですから、
    区は工事車両の通行認定なども取り消すか、返納させるべきです。
    2009年02月07日 17:17
  • ChinchikoPapa

    応援者さん、いつも貴重なコメントをありがとうございます。
    ようやく裁判所より、「建築確認」処分の停止が正式に下りました。ただ、この処分が出る以前、高裁判決のあった週から工事は実質上ストップしています。敷地の入り口に設けられた工程表は、「保全工事」という表示に変わり、工事車両や作業者の出入りも絶えました。
    念のため通行認定の件も、いつものようにMLでアテンションしておきます。貴重なアドバイス、重ねて厚くお礼申し上げます。<(_ _)>
    2009年02月07日 19:46
  • NO NAME

    この廃材が別の場所で自然破壊を起こすんですよね。複雑な気持ち。
    2009年12月17日 18:50
  • ChinchikoPapa

    NO NAMEさん、コメントをありがとうございます。
    廃材の投棄先まで判決では拘束できませんから、新日本建設の株主のみなさんには、ぜひそのような投棄をしないよう、また二度と違法な建築に手を染めないよう、コンプライアンス重視の“指導”をしてほしいですね。
    2009年12月17日 19:21
  • あらら

    なんか、業者がまた今度は新宿区の提訴を視野に
    入れてるみたいだけど、、こいつら税金を奪うつもりだよ。
    コンプライアンスなんてお題目だと思ってるに違いない。
    しかし、建築業ってのは日本の癌だなw
    2009年12月17日 21:47
  • ChinchikoPapa

    あららさん、コメントをありがとうございます。w
    こういう業者じゃない、まともな業者もあるんでしょうが、ちょっと今回のこの業者はあまりにもひどすぎますね。「もし裁判で負けたら、すぐに取り壊します」と、説明会で自信満々に明言した録音言質が残っていますけれど、さて、これも口から出まかせのウソ八百でしょうかね。
    2009年12月17日 22:05
  • ChinchikoPapa

    ご訪問いただき、nice!をありがとうございました。>パールさん
    2009年12月18日 00:15
  • 通りすがり

    今回の件について肯定でも否定でもない立場の者です。

    純粋な疑問なのですが、今回訴訟を起こした方々は
    森が壊されるのが反対なのか
    建築確認が正当でないことに対して反対なのか
    どちらなのでしょうか?

    前者であるなら警察がよく使う「別件逮捕」の乱用に近い性質があり、
    素人目には住民サイドの運動を応援することができません。

    あくまで今回の裁判は建築確認が不当なものであるということを
    認めただけであって、公園化を命じるものではないわけで
    今一度正当な手順で建築をやりなおすこともできます。

    そのように正当な手順で建築確認が行われ、マンション等を
    建築するといった場合、住民の方々は納得されるのでしょうか?
    それとも別の争点を見つけて、公園化されるまで訴え続けるのでしょうか?
    2010年01月06日 01:25
  • ChinchikoPapa

    通りすがりさん、コメントをありがとうございます。
    当初は、減りつづけている区内のみどりをできるだけ保全してほしい・・・という新宿区への働きかけと、次いで新宿区が緑地として買い上げるのが無理であり、どうしても建築するのであれば可能な限りみどりを残してほしい・・・という業者への働きかけからスタートしていますね。ところが、いざ蓋をあけてみて、建設予定の「重層長屋」の設計図が明らかになってきたころから、とんでもない違法建築(少なくとも建築基準法に照らし合わせれば)だったので、まず区の建築審査会へ裁定を求め、それではラチが開かなかったので提訴に踏み切った・・・という経緯です。これらは、テーマとしていっせいに発生してきたことではなく、5年間に渡り段階的に発生してきた課題です。
    だから、「できるだけみどりを残してほしい」という当初の希望(要請基盤)の上に、のちに明らかになった違法建築への懸念(課題レイヤ)がかぶさっている・・・と捉えた方が正確でしょうか。双方の問題が同時期に発生したのなら、「別件で」という捉え方も成立しそうですが、これらはタテの時系列で5年間にわたり発生している課題です。つまり、区へも業者へもみどりを可能な限り確保してくれという“根”が先にあり、その後、時間を経て出現した違法建築計画を許容できず、まず建築審査会への提訴、国交省の審査会への提訴、そして裁判沙汰になっていったという“枝葉”が拡がっています。換言すれば、当該の計画が違法建築と規定された現在、ふたたび当初のテーマにもどって、ようやくリスタートすることができるぜ・・・ということですね。
    「トラスト基金」のサイトでも報告されていますが、説明会では合法的な住宅建築であれば、また、できるだけ樹木を残すプランであれば反対しない・・・とまで、住民のある方々は言われていますよね。業者はそれを受けつけず(採算が取れないとまで発言しています)、説明会で罵声と恫喝を繰り返し、話し合いの途中で樹木を突然伐採し、工事協定も結ばずに違法な建築工事を有無を言わせず強行したところに、問題を大きくする要因があったのは間違いないと思いますが・・・。
    経緯を知らず、結果論的に見れば「みどり」と「違法建築」の課題が、同じ地平に並立しているように見えますが、時系列でとらえればまったく「別件」などではなく、段階を経るにしたがい、住民側の提訴に必然性があるのは明らかだと思います。
    2010年01月06日 02:10
  • 通りすがり

    ご返答ありがとうございます。
    「できるだけ樹木を残すプランであれば」
    の「できるだけ」には主観が入るので住民サイドの視点と
    業者側の視点では乖離がありそうですが、
    この条件を満たしたマンション建設であれば
    近隣住民も納得していたということですね。

    業者はそれを受けつけず(採算が取れないとまで発言しています)
    というのは、確かに理解ができます。
    採算が取れない=利益が発生しない=社員の給料が払えない
    ということになりひいては社員の家族を飢えさせることになる
    (ちょっと極端ですが)ということになりますね。
    採算が取れないと発言してくれた業者はむしろ正直で好感が持てます。
    このようなご時世、会社にとって採算が取れないことは死活問題ですからね・・・
    緑を保全するために採算が取れなくなり、派遣社員を減らす。
    まさに今問題となっている「派遣切り」の発生原因になりかねない。
    森が大事か派遣が大事かという議論が内包されている気もします。
    (ちょっと飛躍しすぎですかね?)

    個人的な感想ですが
    住民サイドは「緑を保全したい」
    業者サイドは「採算を取りたい」
    トラスト基金で土地を買い取るのが難しければ
    「できるだけ樹木を残すプラン」を実行するため
    「採算が取れなくなる」損額を「緑を保全したい」という思いから設置された
    (という理解でよろしかったでしょうか?)トラスト基金から補償することができれば
    よかったのじゃないかなぁ思いました。
    そういった議論はされたのでしょうか???
    2010年01月06日 09:01
  • ChinchikoPapa

    >採算が取れない=利益が発生しない=社員の給料が払えない
    >ということになりひいては社員の家族を飢えさせることになる
    このご時勢に、昨年、株式の配当金を出している上場企業で、社員の家族が飢えている・・・という事実があるのでしょうか?(あれば具体的に事例をご指摘ください) 事実ではなく、仮定や空想の前提の上に築かれた“論”は、意味をなさないと思うのですが、いかがでしょう?

    >採算が取れないと発言してくれた業者はむしろ正直で好感が持てます。
    説明会における言質の録音テープがあるにも関わらず、数多くの「約束」を反故にしていった業者に好感など持てないですね。w 現時点でも、「違法判決が出たら、ただちに建築中の建物を解体する」と言っていた「約束」が、またしても反故にされていますが・・・。

    >森が大事か派遣が大事かという議論が内包されている気もします。
    >(ちょっと飛躍しすぎですかね?)
    まったく論点がスライドして、ついてけないですね。企業の「派遣切り」と、明らかな人命軽視の建築基準法違反の強引な建築と、どこでどう繋がるのかここはひとつ、読んでいる方々も多そうですので、事実とその経過に基づき、わかるように説明していただけませんか? ちなみに、説明会へ派遣されてきた業者の社員は、派遣社員ではなく正社員の方々でした。w もっとも、「説明会」での「約束」がただちに履行されれば、新たな工事=仕事(解体の)は継続的に発生してくると思いますが・・・。

    >そういった議論はされたのでしょうか???
    先にも書きましたが、違法建築をゴリ押しで建設するため、混乱した「説明会」で三度も恫喝(こちらも録音テープあり)を繰り返す業者と、そのような接点は見いだし得なかった・・・というのが実情ですね。いくら合法建築への設計変更を要請しても、業者がまったく聞く耳を持たなかったというのが事実です。
    また、違法な建築を前提に工事計画を強引に勧める業者へ、住民が合法建築へ“改心”させるために買い取り額の赤字分を補填する(そういう解釈でよろしいでしょうか?)・・・などという見方は、業者の違法建築を前提とした敷地の買収責任を丸ごと欠落させた、まるっきり視野が逆立ちしている見方としか思えませんが? 違法建築の計画をふところに、1,000平米以下の建物しか建たない敷地を買った業者の主体的な事業責任は、どこにいってしまったんでしょうか??
    2010年01月06日 12:44
  • 通りすがり

    ご返答ありがとうございます。
    ChinchikoPapaさんを怒らせるつもりはなかったのですが
    ご気分を害してしまったようです。もうしわけありませんでした。
    いろいろと勉強になりました。ありがとうございました。
    2010年01月06日 23:17
  • ChinchikoPapa

    通りすがりさん、リプライをありがとうございます。
    いろいろなご意見をうかがうのは、この案件に関するさまざまな視角が認知できて、とても参考になります。別に怒ってなどいませんが、「平成21年(行ヒ)第145号」(タヌキの森の裁判事件名です)に関する限り、一般論・抽象論ではなく、個々の事実や経緯を規定し認識したベース上での議論であれば、より生産性が高まるのではないかと考えています。
    こちらこそ、言葉足らずがあったかもしません。失礼いたしました。
    2010年01月07日 00:15
  • ChinchikoPapa

    電線のスズメ、かわいいですね。「ミ・ミ・ソ・ミ」と奏でています。w
    nice!をありがとうございました。>タケルさん
    2010年02月15日 17:33
  • ChinchikoPapa

    フーコーにサルトル、廣松渉・・・その昔読み漁った懐かしい名前が並んでいますね。nice!をありがとうございました。>懸解さん
    2010年05月11日 21:26
  • 通学路の一方通行逆走

    ご無沙汰しております。新宿区が代執行も検討しているとの記事、拝見しました。
    新宿区は周辺住民側に立つ決断をするべきと思います。

    下落合の道路には、一方通行と、1.7mの車幅制限の規制がされていますが、
    文京区内(小石川二丁目)で、同様に車幅に制限がある地域での巨大マンションの建設のため、通学路の一方通行を、4年間もの長期間、大型工事車両が逆走する計画がされていて、学童の保護者等から問題視されています。
    http://chiikinomirai.net/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=53

    区役所も周辺住民より業者寄りのようです。応援いたただけると助かります。
    2010年05月15日 19:48
  • ChinchikoPapa

    通学路の一方通行逆走さん、コメントをありがとうございます。
    堀坂、六角坂におけるマンション建設工事のサイト、拝見いたしました。狭い一通の道路を、大型車輌が逆送するというのは、もうメチャクチャな工事計画ですね。さっそく、「みどりトラスト基金」をはじめ地域のMLへ上記の情報を流したいと思います。
    ただし、書名用紙をダウンロードしたのですが、その送付先の住所が関連ページにも、またダウンロードした用紙にも記載されていませんでした。どちらにお送りすればよろしいのでしょう? 送付先が記載されているページがありましたら、ご教示いただければと思います。
    2010年05月16日 00:01
  • ChinchikoPapa

    堀坂、六角坂におけるマンション建設工事の情報さん、重ねてコメントをありがとうございます。お手をわずらわせました。
    確かに、署名の送付先を確認させていただきました。さっそく、地域のMLへ告知したいと思います。また、わたしもさっそく用紙を当該住所宛てにお送りします。傾斜角が急峻な、通学路に指定されているバッケ状の坂道で、工事用の大型車の逆走というのは明らかに危険ですね。業者が道路を拡げてくれるから、区民にとって「有益」だという区側のもの言いは、本来その現場に住む住民の声をすくい取りながら、行政が安全を確保しつつ実施すべきことであって、本末転倒のように感じます。
    いろいろとたいへんでしょうが、粘り強くがんばってください。
    2010年05月16日 18:51
  • 堀坂、六角坂の母親有志から御礼

    下落合の皆様に応援していただき、大変力づよく感じております。本日、署名を受け取りました。とり急ぎ御礼申し上げます。今後ともよろしくお願い致します。
    (追伸、保護付きページの方に、これまでの経緯が追加されているようです。)
    2010年05月19日 01:10
  • ChinchikoPapa

    堀坂、六角坂の母親有志から御礼さん、コメントをありがとうございます。
    先日、「トラスト基金」を中心とする地域MLにも情報を流していますので、追いかけて有志の方からの署名が、お手元にとどくのではないかと思います。よろしくお願いいたします。
    同坂における動向につきましては、今後ともサイトなどで拝見したいと思います。
    2010年05月19日 15:44
  • fumiko

    はじめまして!
    下落合の「たぬきの森」訴訟を検索していて、貴ソネ・ブロを発見!
    ソネ・ブロ仲間のShinさんのniceもあり、親近感を感じました。

    昨年暮、我ら世田谷住民の身近に「たぬきの森」と似た事態が発生してしまいました。現在、住民の怒り爆発中です。
    静かな住宅街に地下1階、地上3階の「長屋」呼称のマンションを建てる計画、敷地は旗ざお地(240坪)で間口わずか4メートル、ここに1棟ではなく、法逃れできる2棟(A棟、B棟)を建てようと強引な計画を進めています。
    貴ブログにある内容のほか、上記のような状況下で役に立つ応援情報がありましたら教えてください!よろしくお願いします。
    2011年01月14日 02:09
  • ChinchikoPapa

    fumikoさん、コメントとnice!をありがとうございます。
    世田谷の旗竿敷地の状況は、下落合の“たぬきの森”ケースとそっくりですね。建築確認が下りる前に、早々に動かれたほうがいいと思います。また、世田谷区による安全認定が済んでしまっていましたら、区の建築審査会へも異議申し立てを行い、少しでも計画の進捗を遅らせましょう。
    明らかに消防活動が行なえないと思われる敷地ですので、消防署へ告知されて危険性をアピールしていただくのも有効かと思います。裁判になると、やはり時間がかかってたいへんですので、早めの対応がよさそうですね。
    下落合における住民活動のすべての記録は、「下落合みどりトラスト基金」サイトへ掲載していますので、2005年から年を追ってご参照いただければ、活動の進行や経緯、どのような手段で違法建築をストップしていったのかが、時系列でおわかりいただけるかと存じます。ぜひ、ご参照ください。わたしのブログからも、左側メニューのバナー「下落合みどりトラスト基金」からもジャンプできます。URLは、以下のとおりです。
    http://www.jsc-com.net/shimoochiai/top.htm
    2011年01月14日 11:06
  • fumiko

    ChinchikoPapaさん、迅速なチェック、感謝です。
    本日、住民代表と私を含めた4名で相手業者西洋ハウジングに工事協定書を持って行きました。16日の回答待ちです。
    ご指示いただいた件は当方が急ぎ確認したい件でもありますので、
    ご多忙とは存じますが、オフィシャルサイトのリクエストの欄から入り、ChinchikoPapaさんのアドレス、携帯をご記入後、送信いただけませんか。当方から連絡させていただきます。よろしくお願いします。

    P.S.2009年1月14日13時30分は東京高裁の判決が出た日!
    今日は14日、見えざるパワーを感じています(笑)
    2011年01月14日 13:55
  • ChinchikoPapa

    fumikoさん、重ねてコメントをありがとうございます。
    そういえば、東京高裁の勝訴判決からちょうど丸2年ですね。最高裁の全面勝訴判決からも、1年以上が経過したことになります。ですが、工事途中の違法建築の残骸はいまだ放置されたまま、業者は「説明会」での約束を反故にして撤去しませんし、新宿区は強制代執行をする意思が希薄です。
    一度工事が進んでしまいますと、原状へともどすのがたいへんなのはもちろん、さまざまな障碍が発生してきますので、ぜひ未着工のうちに手をうたれたほうがいいと存じます。
    のちほど、オフィシャルサイトのCGIフォームより、ご連絡を差し上げます。
    2011年01月14日 14:10
  • fumiko

    ChinchikoPapaさん
    このたびはありがとうございました。
    昨日、世田谷区に審査請求の書類を提出いたしました。
    戦いの行方はわかりませんが、我々16世帯は一致団結して頑張ります。
    今、ブログに新項目「住民vs業者」を作り、アップしました。
    きちんと記録し忘備録として使うことにします。
    http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2011-01-25
    アドヴァイス等、今後ともよろしくお願いします。
    2011年01月25日 21:10
  • ChinchikoPapa

    fumikoさん、わざわざごていねいにご報告をありがとうございます。
    審査請求は、いちおう3ヶ月間となっていますが、下落合の場合は内部で「違法では?」という異論が委員の中から出たものか、なかなか裁定が下りずに半年近くかかりました。その間、工事がペンディングとなりましたので、いろいろ対策を練る余裕が生まれたことになりますね。
    また、これはこのサイトへのコメントで、応援してくださる方からご教示いただいたのですが、重量の重い工事車両が入れる道路かどうかの課題もあります。もし、4m道路に区によって重量規制がかかっているとすれば、重たい工事車両(クレーン車やミキサー車など)が路上に入ること自体が違法行為(埋設の水道管やガス管を破壊する怖れがあります)になりますので、条例ともからめて区の道路課などで確認されたほうがいいかと思います。
    消防法のほかにも、まだまだ打つ手はあるかと思いますので、ぜひがんばってください。訴訟になった場合は、工事の差し止め請求は最優先のテーマですね。
    2011年01月26日 13:27
  • ChinchikoPapa

    完成直前のマンション、建築確認取り消しさん、いつもコメントをありがとうございます。
    わたしも、朝日の記事で見ました。このケースも、地元の建築業者ではなく、場ちがいな神戸の業者がからんでいるようだすね。さっそく、当該URLをトラスト基金内で回覧させていただきました。
    2015年11月14日 16:53
  • 落一66年卒

    今日、野鳥の森の東の坂道を上がっていったら、解体工事をやってました。これってあの違法マンションの解体かな?
    2016年12月01日 13:59
  • ChinchikoPapa

    落一66年卒さん、コメントをありがとうございます。
    はい、違法建築の解体工事ですが、新日本建設は転売して逃げていき、転売先の業者が解体をしています。
    詳細は、こちらをご覧ください。
    http://www.jsc-com.net/shimoochiai/news5/906.htm
    2016年12月01日 15:47
  • 落一66年卒

    そうですか、跡地、たぬきの森公園になるといいですね。
    2016年12月01日 18:15
  • ChinchikoPapa

    落一66年卒さん、重ねてコメントをありがとうございます。
    そうなんですよね。新日本建設が無理やり建てようとした、明らかな違法建築ならともかく、建坪1,000m2以下の合法的な集合住宅、あるいは戸建て住宅の建設計画であれば、もはや異議を唱えることができません。
    土地を自治体へ売って緑地公園化するよう、業者と新宿区の双方へじみちに働きかける以外に方法はないですね。
    2016年12月01日 19:02

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特報! 最高裁で下落合住民側が全面勝訴。
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