写真展が終わってしまった。

 「目白・下落合 歴史的建物のある散歩道」写真展が、6月17日に無事終了した。ほんとうに、たくさんの方々が会場におみえになった。最終日は、すでに二度目の方々も多く、閉展時間をオーバーして19時近くまでご覧いただいた。最終日の1日だけで、おそらくゆうに百数十名の方々がおみえだった。(ほんとうに、ありがとうございました)
 小道さんは、お知り合いが立てつづけにみえて目白・下落合界隈のご案内に忙しく、暑い中、二度も散策へお出かけ。わたしはおみえいただいた方々へ写真やマップのご説明に忙しく、ほとんどアッという間に1日がすぎていった。小道さんは暑さでお疲れ、わたしは終了ごろには声が嗄れてしまった。小道さんと、最後に階段のところで顔を見合わせてニコリ、お疲れさま。(^^;
 おそらく、目白・下落合に残る貴重な近代建築をテーマにした、本格的な写真展とマップづくりは初めての試みではないかと思う。いつまでもあると思っていた街並みやみどりの景観が、いつの間にか目の前から消えてなくなってしまうことに愕然としたのは、なにがきっかけだったのだろう? わたしが学生時代に散歩した、下落合や目白文化村の姿はもはやほとんど残っていない。それでも、異なる地域からみえた方々には、こんなにたくさん文化財的な建物やみどりが残っているのか?・・・と驚かれる。おそらく、30年ほど前に比べたら、半分以下の数に減ってしまっているのに。

 よく商店街を歩いていて、知らないうちにお店が変わっていたりすると、以前はなんの店舗だったのか思い出せないことがある。商店街ではなく目白・下落合の住宅街では、なかなか「思い出せない」ということは少なかったのだが、あっちもこっちも低層マンションの建設ラッシュがつづくと、以前の風景がすぐには想起できないことがある。それほど、景観の移ろいが目白・下落合地域でも激しくなってきたということなのだろう。最近、第一と第三の目白文化村で空き地が目立っているのが、とても気になる。また、会場に展示された建築の中で、日本聖書神学校(メーヤー館)が夏に解体・移築予定、聖母病院のマリアの宣教者フランシスコ修道会チャペルが来年解体・再建築の予定だ。
 でも、今回の写真展とマップで、少なくとも2006年6月現在における目白・下落合全体の街並みや景観は、ご来場いただいた方々の印象にほんの少しでも残ったのではないだろうか? かろうじて、この景観やみどりが地域のベーシックな共有認識となり、いつも消えるだけの“マイナス”の街ではなく、“プラス”の街づくりへとつなげられれば、たいへんうれしいのだけれど・・・。

■写真上:ガラス戸を閉めた閉会直後の三春堂ギャラリー。三春さん、ありがとうございました。
■写真下:楽しげなテーブルの上。写真展は終ってしまったけれど、目白バ・ロック音楽祭はまだまだつづく。なお、写真展に展示された写真のごく一部は、しばらくギャラリーに残されることになった。

この記事へのコメント

  • kadoorie-ave

    お疲れさまでした〜!
    きっと土曜日ならお会いできるかもしれないし、ゆっくり拝見する為にも、もう一度伺おうと思っていましたが、残念!結局仕事で家の中にへばりついておりました。
    でも、短い時間とはいえ、伺えてよかったです。
    マップも、何度も見返しています。味のあるいいマップですね、大切にしてお散歩のお伴にいたします。お友達に差し上げる分と、自分のと、ヨレヨレになったときの予備と....と一部では足りませんた。
    2006年06月19日 21:45
  • ChinchikoPapa

    はい、土曜はひそかにお待ちしておりました!
    お忙しいのに、わざわざおいでいただきありがとうございました。ぜひ、マップを手にされて、目白・下落合あたりを散策されてみてください。マップは、「カフェ杏奴」にいつでも置いてありますので、ご安心を。(^^
    2006年06月20日 00:37
  • miharu

    Chinchiko さん、小道さん、あやせさん、バ・ロック音楽祭のイアンさん、応援協賛してくださった皆様。
    写真展の開催とマップの制作にご協力、本当にありがとうございました。
    おかげさまで、2006年6月現在の目白・下落合の記録を残すことが出来ました。写真展だけでなく、素敵な散策マップまで作れたのは、奇跡的のように思います。小さいけれど皆の心のこもったこの催しが、この街の魅力を多くの方に伝えることができたなら、とても嬉しいです。
    そしてその街の魅力が、無神経に壊されことなく、できるだけ続いていきますように。と、願う気持ちのそばから壊れていくという、危うい現実なのですが。
    2006年06月20日 18:56
  • ChinchikoPapa

    三春さん、ほんとうにお疲れさまでした。
    ご自宅へ帰れずに、そのままショップへ泊まられた日がどれほどつづいたことでしょう。(汗) ご自宅のネコちゃんのフラストレーションも、極限に近かったのではないでしょうか? まだバロロック音楽祭は開催中ですし、終わったら終わったで後処理業務もたいへんでしょうが、どうぞお身体をこわされませんようお気をつけください。
    終わってしまうと、ノド元すぎればなんとやら・・・で、なんとなくもう一度やりたくなってしまうのがこういう催しですが、小道さんはこの習慣性の魅力にとりつかれて、日本全国を飛びまわってるナ?(笑)
    わたしは、これからも目白・下落合を歩きつづけて、ここへさまざまな物語を書こうと思っていますが、隣接する長崎と上落合も、とっっても気になるきょうこのごろです。(^^;キリがない
    2006年06月20日 19:34
  • miharu

    Chinchiko さん、ご心配いただきありがとうございます。
    追伸です。目白・下落合歴史的建物の写真は、7月8日(土)のギャラリーでの「かずさんの土曜喫茶」(第2土曜日)に、そのまま展示してあります。ご覧になれなかった方、もう一度ご覧になりたい方は、ぜひお出かけください。(14時~18時)
    2006年06月20日 21:33
  • ChinchikoPapa

    ヲヲッ、それは素晴らしい。(^^
    わたしも、時間が空いてましたら、ぜひ「土曜喫茶」へ寄らせていただきます。資料も、いただきに上がらないといけませんし・・・。
    2006年06月20日 21:47
  • かい

    写真展の余韻も醒めない今日、残念な光景を見つけてしまいました。
    マップにも載っている個人の方の住宅を解体している現場に出くわしました。
    場所は下3、目白通りの「オリジン弁当」の横を旧林泉園(目白スカイハイツ)方面に入ってしばらく進んだ左側のお宅です。
    立派な玄関とそれを取り囲む鬱蒼とした植栽が見事だったのですが、
    木は切られ、建物もパワーショベルで崩されていました。
    あれだけの建物と庭を維持するのはさぞや大変だったと思います。
    今まで頑張った所有者様と建物に感謝を込めて。
    2006年06月23日 23:22
  • ChinchikoPapa

    かいさん、こんばんは。
    はい、C(T)邸は近々、ご自宅を建て替えられるとうかがっていました。でも、こんなに早くとは・・・。冬になると樹木の葉が落ちて、邸宅の姿が垣間見られたのですが、春から秋まではなかなか濃い樹林の葉に隠れて見えないんですよね。
    今回の写真展でも、葉に隠れてよい写真を記録撮影できませんでしたので、ご紹介できなかったのが残念でした。あの一画は、目白通り沿いの焼夷弾攻撃からも、まるで島のように奇跡的に焼け残ったエリアでした。またひとつ、マップから▲が消えてしまいましたね。(残念)
    2006年06月24日 20:41

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Tracked: 2006-06-19 08:26