かなり前から、ブログが面白そうだ…と思っていた。個人のWebサイトの過半数は将来、ブログタイプになるのではないかと思ったりもしている。それほど、ブログの“敷居”は低くてまたぎやすい。たとえば、自分のサーバを持ってWebサイトを起ち上げた場合、マシンを手元に置くにしろデータセンターへハウジング(預託)するにしろ、あるいはレンタルサーバを利用するにせよ、その運用管理にとてつもない労力がかかる。上のグラフは、ガートナーグループがまとめた主にWebサーバ(サービス)に関するTCO(Total Cost of Ownership)の内訳だ。
ハードやソフトの経費、またサーバのハウジングならラックスペースと回線の利用費を除いて、なんと80%が技術的な運用管理、つまり管理手間とコストに消えていることになる。運用管理にこれだけ手間がかかり、加えてコンテンツの制作・管理も加わることになる。しかも、ミッションクリティカルな(24時間365日無停止)システムが前提だから、常に監視と検証を繰り返していなければならない。コンテンツを更新するよりも、Linuxディストリビューションやアプリケーションのパッチを当てはめたり、DBサーバのミッションエラー管理をするほうが忙しい…なんて、本末転倒の笑えない話もあったりする。(ちなみに、うちの会社だったりするのですが…)
これは、個人のWebサイトの運営でも、規模や内容は異なるが本質的に変らない。定期的なサーバのサポート管理はもちろん、制作したコンテンツに対する主要ブラウザの表示検証や、イベント/ログの管理、DBが付属していればそのチューニングやエラー管理…等々、ビジターへの気遣いをすればするほど、運用管理の“趣味”はふくらんでいくことになる。
ところが…、ブログはというと、これらの煩雑な管理の仕事がいっさいなくなってしまうのだ。ただ、書き込むテーマと内容だけ、つまりコンテンツだけに気を配ればいい。しかも、新鮮な情報が保たれていればSEOをことさら意識する必要もなく、ビジターの誰にでもやさしいWebサイト作り(たとえば、バリアフリーのW3C勧告やユニバーサルデザイン)なども、あえて気にする必要がなくなる。管理の大半を、ブログスペース提供側の“お仕事”として、「あとはよろしく」で済んでしまう。
わたしは、個人的なサイトを持つのは初めてだ。会社のサイトはずいぶん前から作って運営しているし、データセンターには会社のサーバはもちろん、顧客からお預かりして運用管理しているサーバが並んでいる。でも、個人的なサイトは持つ気になれなかった。せっかくの休みの日に、自分の時間までをサイト作りや運用管理に当てるのは、なんとしても避けたい事態だったのだ。しかし、時代は変った。ブログなんてものができたじゃないか。この新しいメディアを存分に使って、なにか面白いことができないか?…いまは、そんな気持ちでいっぱいなのである。
この記事へのトラックバック
Cafe杏奴×ブログの力
Excerpt: 下落合のカフェ杏奴。休業日の火曜に「ブログの力」の出版記念ミーティングが行われ
Weblog: 旅と散歩の部屋付録
Tracked: 2004-11-25 04:20
ブログの効用/サイトを告知する「帯」の代わり
Excerpt: 現在の私は、表現する媒体はウェブサイトで足りています。97年3月にMLを開始。9
Weblog: 梟の森
Tracked: 2005-02-13 14:09
「Chinchiko Papalog」をや~めた!
Excerpt: 「小柄な人かと思っていたのですが、そうじゃないんですね」と、お会いする人たちから言われつづけている。このブログタイトルの「Chinchiko Papalog」という名称から、どうやらわたしは背が低いと..
Weblog: 落・合・道・人 Ochiai-Dojin
Tracked: 2011-11-25 00:26
ブログ9年・過ぎし日々のセレナーデ。
Excerpt: 2004年にスタートしたブログ書きClick!が、この11月24日より10年目に入った。あれだけ流行った誰でも情報が発信できる「ブログ時代」のブームはとうにすぎて、いまやSNSのfacebookのほう..
Weblog: 落合道人 Ochiai-Dojin
Tracked: 2013-11-24 00:01
この記事へのコメント
かあちゃん
わたくし待望のサイト立ち上げ
ありがとうございます、いえおめでとうございます!
これからどんな面白いお話を聞かせて頂けるのか、今から
ワクワクでございます。
それから、LINKさせて頂いてもよろしゅうございますか?
サイト名「Chinchiko Papalog」素敵過ぎ(*^o^)
ChinchikoPapa
かあちゃんさんは大先輩ですので、いろいろとお教えください。<(_ _)> わたしのほうも、さっそくリンクを張らせていただきます
宮沢 靖
ブログ開設、おめでとうございます。早速来て見ました。
とりあえず、σ(^_^)のサイトと、相互リンクをお願いします。m(. .)m
ChinchikoPapa
さっそく、リンクを張らせていただきます。部品として「リンク集」がまだ存在しないため、とりあえず「読んでるブログ」へ掲載させていただきます。ありがとうございました。
おのふみと
ChinchikoPapa
「読んでるブログ」に、さっそく登録させていただきます。ありがとうございました。
玉井一匡
個人的な希望としては、目白のまちについていろいろ書いてください。できれば目白文化村のことをまず。
池波正太郎の全集の月報に司馬遼太郎が書いていたことを、ぼくはよく思い出します。池波正太郎の小説には、江戸のまちの描写が丁寧なのは、鬼平犯科帳を書き始めた頃の東京が、オリンピックのせいでどんどん江戸なくしていったから、それを小説の中に保存しようとしたんだと書いてあったのです。
できれば、なくなるから書くのではなく、書くことで古い東京を残せるようにしたいと、ぼくは思っています。保存するんじゃなくて、それを使っていいまちにするために残すんだと僕は思うのです。ぼくはどうも本名の方がすきだから、「****さん」と打ち込むとchinchikopapaと出るように単語登録しました。
ChinchikoPapa
目白文化村の件、了解いたしました。ただ、いまに残る第1~第4文化村の写真を詳しく撮ってこようと思いますので、しばらくお時間をください。旧第1文化村にお住まいの方に、当時の思い出とともにご案内いただくことになっています。また、下落合につきましてもいろいろと書いていきたいと考えています。
ブログを始めますと、あれもやりたいこれもやりたいと想いばかりが先走ってしまいますが、どこまで実現できるかわかりません。(汗) ご笑覧いただければ幸いです。よろしければ、玉井さんのブログへリンクを張らせていただければと存じます。
玉井一匡
ChinchikoPapa
リンクの件、ありがとうございました。
なんと10年近くも経ってからこのページに初めて来た、うつぎれいより
といってもこれ9年も前のページらしいから、この後で「わたしの落合町誌」を作ったのかな?
書かれてる内容から言っても今ではジオシティなんかで普通のサイトを作って管理するのはそんなに面倒なことではなくなっているしなあ。
ついでなので少し前に作ったインターネット選挙についてのページへのリンクを張らせていただきました。
ChinchikoPapa
いえ、ブログのほうがスタート(2004年)が早く、ページを鳥瞰する目次が欲しくなって、2年ほどあとから「わたしの落合町誌」や「目白文化村」の統合ページを制作した…という由来でした。
各サイトにある、ブログから切り離されたオリジナルのページも、実はブログからジャンプする先へすでに制作済みだった別ページ(オルタネイトテイク)に、改めてリンクを張っているだけなんですよ。
ChinchikoPapa
ChinchikoPapa